阿部利勝

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ごあいさつ ボクの庄内町 -田園都市構想-

皆さん、こんにちは。庄内町西野生まれ西野育ちの、あべとしかつ(阿部利勝)です。
農家の長男として生まれ、農家の長男は農家(家)を継ぐという慣習のなかで、時には少々あらがいながらも、今日まで生きてきました。

ああ 花の青年団

さて、唐突に“まつりごと”の世界に踏み出したのは、というと大袈裟ですが、「まちづくり」「村おこし」的なものには青年団という団体に所属してから、ずっと関わってきたことなのです。

「青年は夜育つ」の掛け声のもと夜10時までの会合が終えると、公民館前にたむろし、それから車に乗合して、喫茶店に行ったり、あとはなぜか夜の海に向かうのが定番でした。

青年団は社会教育関連団体に属し、会則には「私たちは住みやすい郷土社会の建設につとめます」という文言がありました。若い私に、まちづくりへの意識を育んでくれた原点と言えます。

農業後継者

私にも反抗期があり、中三の時に、家・農を継ぐのが嫌で工業高校へ、高卒後すぐ農業するのが嫌で、新庄市の県立農業経営大学校(現県立農林大学校)へ入校しました。しかし農業を学ぶ自分が嫌で、一ヶ月で夜行列車に飛び乗り家出したものの、具体的なあてがなくそこまでで思いは力尽き、説得され傷心のなか帰省、就農となったわけです。青年団に入るまで、バイクと本があればよい、という暗い青春でした。ある日、父が出稼ぎ先で事故に遭い入院いたしました。それまでイヤイヤやっていたコメ作りは、責任が増したものの徐々に楽しさのほうが先になりました。無農薬のコメ作りは、子供が生まれたことをきっかけにはじめました。農協青年部の活動では、仲間と共に米輸入自由化反対運動や減農薬運動に取り組みました。都市部の小学校への稲作出前講座を十数年間にわたり続けたことも、大切な経験です。

昭和63年、国のふるさと創生事業で、町内の若者団体組織に使途自由な1千万円の補助金が与えられ、「あまるめ21世紀夢会議」なる会が発足されました。その団体に農協青年部として参加し、よりよい地域づくり、村おこしだ、の意識が加速されたのです。

地域の人々とともに

妻、洋子とは同地区の青年団で出逢い、どちらも跡取り同士の私達は、周囲の反対を押し切り結婚。その後3人の子宝に恵まれ、2人で楽しく子育てをしたと思います。また「趣味はPTA役員」と公言し、幼稚園から高校までずっとPTAの役員をやってまいりました。代表を務める劇団でも、学校関連の脚本をオリジナルで書き上演したほど、PTAに熱中していました。

劇団響は、演劇や身体表現の団体も育成したいという趣旨で館よりお声掛けがあり、平成13年より活動が開始しました。第一回公演が、地元に密着した農業問題で、転作自由化後の世界を上演、合併後は清河八郎の妻を題材とした「お蓮」などの公演を行ってます。(私自身は日本発祥の「舞踏」のダンサーでもあります)

若い頃は消防団や神楽、公民館主事にはじまり、社会教育推進員、生産組合長、部落役員、母校の第一小学校5年生での田んぼの授業「あべっち」特別生産委員、余目中学校での職場体験受け入れ、さまざまのイベント実行委員などなど、地域に密着して生きてまいりました。

考える葦

気が付けば、ああ、還暦! 思えば遠くにきたものです。

収入はコメ販売と新聞配達の2足のわらじで20数年、ここにきて加齢の哀しみもわかってきたかなと思う反面、気力そして農機具ローンに教育ローンも加わり財力ともども落ちて、以前持っていたまちづくりへの意欲がしぼんでいる自分に気が付く。いろいろな地域活動をしているなか「あっ、今でしょ! 地に足付いた目線を生かしてまちづくりに関われるのは。孫が生まれ夢をつなげてあげたい。ならば行動でしょ」、というわけで後援会を立ち上げていただきました。

“人間は一本の考える葦である”という有名なパスカルの言葉が中学一年の教科書にローマ字で載っていて、葦という身近な植物が私の思春期と重なり印象に残りました。

んだ、地域づくりは、自分たちで考えることを放棄してはダメなんです。
“まちづくり”は政治というより一人一人の生活であり、それぞれの幸せ探しなのです。

ゆえに私は、この地域で生活するみなさまと、考え続けるということを提案し続けます。

あれもほしい、これもつくりたい、これもしてほしい、あれもしてほしい、財源はみなさまの税金。そう、住民がオーナーなのです。

首長と議会と行政職員

さりとて、オーナーである住民の意見、考えも多種多様であり、また生活におわれ、政治はまずはお任せという場合もあります。それが、議会制民主主義とよばれています。

一昔前だと「橋作れ、道路作れ」といったハード的な要望が主でしたが、地域でのそれは自治会長会の順番事項に譲りつつあり、最近の議会は、地域経営や町全体の繁栄を考える議論の場に移行しているように思われます。ある意味議会は、首長より高い視点や立場で現行制度を改革する力を持っているといえましょう。

首長は一定の間だけ、住民の意向に基づいて事業の執行を任された代行者にすぎません。

首長と議員をそれぞれ住民が直接選挙で選出する二元代表制のなか「さあ、町長も議員も職員も出来レースでなく、住民の声を聞いてもっともっと議論しましょうよ」という声があるように、共に考え議論し、かといって癒着せず、答えを導き出す仕組みが作れたらと思うしだいです。

議会制民主主義、そのなかで、あえてもう一度、私は、この地域で生活するみなさまと、考え続けるということを提案しますと申し上げ、ごあいさつといたします。